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熱帯病・感染症研究

マラウイ国再興感染症ウイルス及び媒介蚊の調査方法開発

本案件は、科学技術研究員派遣事業、通称JICA-JSPSプロジェクトと呼ばれ、途上国のニーズに基づき日本人研究者を日本学術振興会(JSPS)が選定、文科省がJICAへ推薦、JICAにより専門家として派遣される。この案件では長崎大学の研究者が派遣されている。専門家は、相手国側受入機関と共同研究および能力開発を目的としたプロジェクト運営を実施するものであり、JICAとJSPSが連携、開発途上国との国際共同研究を促進させる新制度として発足した。そのため、研究に重点を置き、研究を通じて人材育成や現地にプロジェクト成果を還元するという流れを持つ。

イギリスにはWellcome Trust(民間)、フランスにはPasteur(民間)、アメリカにはCDC(政府系)といった海外に研究拠点を設け、長年に亘り現地に根付いた研究を行い、その成果を現地はもとより、自国そして世界へと還元している機関もある。同様に、本案件もODAを通じて、マラウイ国の感染症、特に蚊媒介性ウイルス疾患に特化したプロジェクトを受入機関であるChancellor College, University of Malawi(マラウイ大学CHANCO)と実施している。

トラップ設営状況
(どこへいっても、いついっても、人だかり)

マラウイ大学のラボでの打合せ

では、何をしているのか。簡単に言えば、トラップを使って蚊を採集し、そして、実験室で蚊から蚊媒介性ウイルスを検出、その過程において、現地人スタッフや学生にフィールドワークやラボワークを通じて、技術と知識を教える。そして、彼女・彼らだけでこの調査研究が継続して行えるように支援する事が、専門家に課せられた仕事である。

2012年1月から4月末まで行った雨季の調査では、マラウイ国全土に30か所の採集地点を設け、約14,000匹の蚊を捕まえた。トラップ一台当たりの最も多い採集数は、一晩で屋内827匹、屋外1,196匹という驚くべき結果が得られた。走行距離は8,000kmに達した。現在、同じ採集地点、同じ家屋を対象に乾季の調査を行っており、雨季と乾季でどのように結果が違ってくるか、楽しみである。

2012年6月14日には、関係機関一同を招聘し、ワークショップを開催した。このワークショップは、本プロジェクト成果の中間報告ならびに広報も兼ねていたが、マラウイ国内外の研究者や関係機関を一堂に会する事で、新しい研究ネットワーク構築のきっかけになればという期待も込めた。

マラウイ国内外から錚々たるゲストにご参加頂き、新聞、ラジオ、テレビでマラウイ国内に広く報道されたことで、関係機関、特にマラウイ側関係機関のモチベーションを高めることに効を奏した。さらに、節足動物媒介性ウイルス疾患に対するCHANCOと保健省の幹部からの理解も促進された。また、会場の内外で活発な意見交換がなされ、参加者間の新しいネットワークの構築に寄与できた事は、現場で責任を負う者として、これほど楽しい日はなかった。

さらに、ワークショップに付随して、日本への国費留学制度説明を在マラウイ日本大使館ならびにJSPSナイロビ研究連絡センターから担当者を招いて、学生や若手研究者に対して行った。

マラウイの研究体制は施設・人材共に脆弱で課題も多く、今後、JICAやJSPS、日本の大学による多角的な成果定着に向けた着実かつ長期的な支援が行われる必要は、ある。しかし、より高度な施設・体制を有する近隣機関とのフレキシブルな連携を促進する事によって、アフリカ域内総体として研究の高みを目指す事が重要であるとも考えさせられた。

(プロジェクト専門家 前川 芳秀、長崎大学熱帯医学研究所)

JICA広報誌に掲載されました。

・長崎大学が行っているマラウイプロジェクトが、JICAが事務局のなんとかしなきゃ!プロジェクトで紹介されました。
詳細は、こちらをご覧ください。

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